という印象が強いのではと思います
もちろんそれもミュシャの一面ですが
ミュシャはある時期からポスター作家を辞めています
それからのミュシャは自国チェコとスラブ民族の伝承・神話・歴史を絵にした
”スラヴ叙事詩”の制作をするようになります
「1.原故郷のスラヴ民族」
全20作品、小さいもので1枚4×6m、大きいもので6×8mのものもあります
それが20枚!とてつもない超大作!!
ミュシャは約18年かけてこれを制作しました
この作品のなかではこれまで線で描いていたものが面で表現されています
ポスターで表現された女性からさらに奥深い人々の表現へと変わっていきます
色使いから笑顔のない子供のこの表情もどれも
私にとってはミュシャらしいなと感じたりします
「6.東ローマ皇帝として戴冠するセルビア皇帝ステファン・ドゥシャン」一部
どの作品も圧巻の一言!
一つ一つに歴史があり物語があり
ミュシャの計り知れない自国と民族への愛があります
これらの作品は完成後プラハ市に寄贈されました
「17.聖アトス山」
私は、ミュシャは日本に多大な影響を与えているように思えます
ミュシャのポスター様式をわざと真似たものから
この挿絵の顔の表現はミュシャっぽいなー
この製品のイラストはミュシャっぽい色使いだなー
とか思ったりします
だからスラヴ叙事詩をみていると
異国の馴染みのない絵画というよりも
どこかで見たことありそうな表現かも??
と思ったりもします
とても親近感があります
これを思っているのは私だけかもしれませんが(^^;
もう一点、絵画におけるミュシャの画面構成力もとても独特だと感じます
遠近法を使って3次元に描かれているけど完全な3次元じゃない
多くの人がいっぱい描かれていて奥行きがあるけど
数名は四角のキャンバスの底辺を軸に立っていてこちらを見ている
「3.スラブ式典礼の導入」
スラブ民族の歴史を語っている(3次元)と同時に
常にこちらに何かを伝えているような強い目と対峙する
私という透明人間が絵の中の世界にいる
もしくは覗き見しているというのではなく
向こうからもこちらが見えていて
じっとみられている気がするのです
それが同時に1枚の絵でおこっているこの表現は
私にとってはとても不思議な世界観に思えます
こういった点も私を惹きつけて離さない魅力の一つです!
「20.スラヴ民族の賛歌」
どの作品もやっぱりすごい!と感じます
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!