エコール・ド・パリの画家③ 藤田嗣治
私の大好きな画家の一人
好きすぎてよく回顧展に何度も足を運び藤田の本を買って模写したりしていた時期がありました
エコール・ド・パリの画家は当時フランスにいた画家たちを指しますが
フランス以外から来た移民が多く藤田は
日本から来た「異邦人」でした
画家を目指し東京美術学院(当時の東京藝術大学)で学んでいましたが
黒田清輝らの先生たちにはあまり受け入れられず
卒業後フランスへ向かいます
当時の日本画壇では印象派の風潮が強く、光を多く含んだ絵画を目指していましたが
フランスで最先端の芸術に触れ、印象派はもう古いということを知り愕然としました
そこから藤田の芸術の模索が始まっています
藤田の特徴は「乳白色の肌」
藤田しか表現できないと言われるこの乳白色を使った裸婦像が
フランスで大いに受け入れられ
藤田の名前は誰もが知る有名人になり大成功しています
私にはこの藤田特有の女性たちの表現がとても素敵で
独特な白、そして踊るような輪郭線!
画風にもよりますが絵画特に油絵において輪郭線というのは
あまり描かないことのほうが多いです
なぜなら、自分の目で見た物質はそれとそれ以外を分ける線は存在していないからで
す
輪郭線は人が目で見たものを二次元で描くときに勝手につけた境界線です
(なにやら哲学的な感じに脱線しました)
藤田はこの輪郭線を絶妙に細く引くことで女性たちの美しい曲線を表現しています
私も常々感じていますが一本の線を引くって本当に簡単ではないです
その線が引けるというのは、まさに芸術!神様の所業のようです
これも藤田ならではではないかと
そして面白いのが、藤田は輪郭線を日本の墨と面相筆で描いており
乳白色の描き方は門外不出で製作中のアトリエには人を入れなかったようです
フランスという地で藤田は海外の芸術技法に日本の技法をミックスした
唯一無二の人なのです!
藤田は自身の風貌も独特です
このオッカパ頭と持ち前の魅力あふれる人間性で
狂乱の時代の異国のフランスでもかなり目立っていたようです
藤田は帰国後の中期、フランスに帰化した後期とまた画風が変化していきますが
それはまたどこかで
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました!