hiro_ame’s blog

美術マニアで科学と宗教を学ぶのが大好きな絵描き。

2020-01-01から1年間の記事一覧

葛飾北斎①『富嶽三十六景-神奈川沖浪裏』

アメリカの有名なフォトジャーナル誌『LIFE』が発表した 『ザ ライフ ミレニアム』の「この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人」に唯一日本人として選ばれた日本でいちばん有名な 絵師(当時の画家のことをこう呼びます。厳密には絵を描く職…

色褪せないノーマン・ロックウェルの暖かくて優しい世界!

ノーマン・ロックウェルは1900年代アメリカの サタデー・イブニング・ポスト紙の表紙のイラストを50年!も描いていた ことで有名なイラストレーターさんです 古き良きアメリカの生活などを描いています 私が初めて見て大笑いしたイラストがこちら ↓ 題…

美術館巡り《弥生美術館・竹下夢路美術館》

東京 根津にある美術館で、東京大学の隣に(というか東大の敷地に囲まれている)ある美術館です。 規模はさほど大きくないのでかなりゆったりとみることができるところです。 ここの魅力はなんと言っても、大正時代の女性を中心とした絵画、イラストをみるこ…

魅力的な葛飾応為

葛飾応為(かつしかおうい)という人を知っていますか? 葛飾北斎ではないです。 応為は北斎の三女です。 最近では北斎と一緒に取り上げられることもだいぶ増えてきました。 映画にもなってます。 応為は結婚していましたが離縁され父親のところに出戻りして…

色彩の魔術師マティス②

前回からの続きです 今回はマティスの後期の活動について マティスは晩年、体力の衰えと十二指腸癌の後遺症から身体が動かなくなり 1日のほとんどをベッドで過ごすことになります。 そのため油絵から離れ切り絵(カット・アウト)での制作を始めます。 そこ…

色彩の魔術師マティス①

アンリ・マティスはフォーヴィズム(野獣派)という芸術運動のリーダー的存在です フォーヴィズムとは線を単純化して混じりけのない純粋な色彩を使用することで 作家の個性や感情を表現しようとしたグループです ピカソらとともに20世紀芸術に革新をもたらし…

モネの観ていた世界

クロード・モネ 印象派の画家です。 有名作品は「睡蓮」 モネは睡蓮の連作をとても多く描いています。 晩年はジヴェルニーという土地に移り住み とても広大な睡蓮の池と庭をつくりそこで絵を描いていました 当時のジャポニズムの風潮もありモネも日本文化が…

印象派の残したもの

印象派が残したもの 日本でもおそらく一番有名な芸術運動の一派”印象派” 印象派の代表画家はカミーユ・ピサロエドガー・ドガアルフレッド・シスレークロード・モネピエール=オーギュスト・ルノワールギュスターヴ・カイユボットなどなど この言葉の始まりは…

上野ロンドン・ナショナル・ギャラリー展

久しぶりのホーム!上野の国立西洋美術館✨ 何もかもが変わってる!チケットは日時時間指定の事前購入で入場制限が厳しくなってました そのおかげで日曜の昼の一番混む時間帯だけどあまり混んでなかったです ここでも時代が変わったことを実感 駅降りたら道路…

自分を知る

自分を知るとはどういうことなんだろう? 私は自分を知ること、自分の真実を日々発見しながら過ごしていま す 自分がどんな人なのかを知ることで自分の考え方の傾向自分のやりたいこと自分の使命自分の得意不得意自分のモチベーションの上げ方自分の幸せ自分…

パリの異邦人 藤田嗣治

エコール・ド・パリの画家③ 藤田嗣治 私の大好きな画家の一人 好きすぎてよく回顧展に何度も足を運び藤田の本を買って模写したりしていた時期がありました エコール・ド・パリの画家は当時フランスにいた画家たちを指しますが フランス以外から来た移民が多…

夢のような世界観を持つシャガール

エコール・ド・パリの画家② マルク・シャガール シャガールはベラルーシ系ユダヤ人でロシアとフランスで活躍した画家です 私にとってシャガールの作品は夢の中の世界 幻想的で不思議な作品ばかり 《エッフェル塔の新郎新婦》 同じエコール・ド・パリの時代の…

オシャレなフォルムのモディリアーニ

エコール・ド・パリの画家① アメデオ・モディリアーニ エコール・ド・パリの代表画家であり彫刻家です 私の印象はモディリアーニの作品はオシャレ! モディリアーニの作品が部屋に飾られてたらとてもカッコイイ! (そう思うのは私だけ??) そして、とても…

黄金時代のエコール・ド・パリ

エコール・ド・パリとは「パリ派」という意味です これは、狩野派のような流派や印象派のような芸術運動ではありません 20世紀前半、1920年代、第一次世界大戦後の開放感と好景気で熱狂していたパリに集まった画家、詩人、作家、写真家などの芸術家たちのこ…

安心感を与えるミレー2

ミレーといえば「落ち穂拾い」がとても有名です それともう一つ ジャン=フランソワ・ミレー「晩鐘」 この作品の右奥に教会が描かれており そこで夕刻の鐘の音とともに農民が手を休めて 「主の御使い(アンジェラス・ドミニ)」で始まる祈りを捧げる様子を描…

安心感を与えるミレー1

ジャン=フランソワ・ミレーは1800年代のバルビゾン派の画家です バルビゾン派はフランスのバルビゾン村に集まった芸術家の運動で 主に自然の風景や農民を写実的に描いた人たちです そのリーダー核のミレーはゴッホやダリなど後世の画家達にとても愛され 多く…

鬼気迫る愛国心のミュシャ

ミュシャというと前回書いたポスター作家としてのミュシャ という印象が強いのではと思います もちろんそれもミュシャの一面ですが ミュシャはある時期からポスター作家を辞めています それからのミュシャは自国チェコとスラブ民族の伝承・神話・歴史を絵に…

線の魔術師ミュシャ

アルフォンス・ミュシャはチェコ出身の アール・ヌーヴォーの時代のポスター作家であり画家です 多くの会社の広告ポスターを制作しています 今でも色褪せない素晴らしいポスターです アーチ型の窓に静止した女性、周りの装飾、上下の文字 これがミュシャのポ…

「手」というモチーフ

「手」は一番身近で重要なモチーフだと思います 私も手を描くときは重要ではない部分だとしてもとても気を使います 千手観音の一つ一つの手もそれぞれ重要な意味があるように 手というのは、制作者の何か訴えや表現が 現れていることがよくあり、とても強い…

近現代を楽しめる東京国立近代美術館

「東京国立近代美術館」 皇居の敷地内にある大きな美術館で 日本で初めて常設展示を行った所です 美術の歴史のなかで近代というと だいたい1860年代から1970年代くらい明治~昭和初期を指します それ以降は現代美術といいます その時代の主に日本の美術品、…

世界遺産になった美術館

上野には美術館がたくさんあります 私が上野に通うようになってずいぶん時間が経ちました その中で一番のお気に入りの美術館 「国立西洋美術館」について 私が一番通っている美術館です (私はここを勝手に「ホーム」と読んでいます!) 名前の通り西洋美術…

ダヴィッドの超表現力

前回はダヴィッドのナポレオンの肖像画について書きました 今回も引き続きナポレオンの思惑いっぱい(笑)の作品を紹介します なぜ同じような意味あいのある作品をまた紹介するかというと 私はこれがダヴィッド最高傑作であることと そして、プロパガンダ(政…

ナポレオンの肖像画?

いまではスマホですぐに高画質の写真が 簡単に撮影できるような時代になりました でも写真が登場する前までは中世ヨーロッパなどでは 画像記録を残すのは画家の仕事です 今で言う写真館に行って誕生日や七五三などの記念写真をとる行為に代わるものが 当時で…

岡本太郎と生命エネルギー②

岡本太郎「明日の神話」「太陽の塔」 前回は「明日の神話」について書きました今回はその続きです 「太陽の塔」 「明日の神話」後の世界として観てみる 原爆投下後の世界圧倒的な人間の生命力自分はここにいるんだ!という強烈な自己の主張 太陽の塔の内部入…

岡本太郎と生命エネルギー①

岡本太郎「明日の神話」「太陽の塔」 「芸術は爆発だ!」のCMで有名な岡本太郎さんです注)このCMが流れていた頃私はまだ生まれてませんが。。。 「太陽の塔」は1970年の大阪万博で展示された建造物です塔の高さ約70m腕の長さ約25m それと同時期に制作された…

旅をするということ

旅をするということ(国内編)私にとって旅をするということは その土地の文化に触れる、その土地の空気に触れること どんな空気感がある街、土地なのかそれなので、基本的にその土地の自然や神社仏閣に行くことが殆どですこの土地ではどんな神様が信仰され…

やっぱり素敵なアール・ヌーヴォー

ガレのランプラリックのペンダントが欲しい もちろん手に入れるのは困難です。。。言ってみただけです。。。そもそも手に入れても貴重すぎて使えない。。。(^^; ガラス工芸家 エミール・ガレジュエリーデザイナー ルネ・ラリック どちらもアール・ヌーヴォー…

幻想的で荘厳なモロー(2)

前回はモローの「出現」について 主人公サロメの背景、物語と絵の違いについて書きました では、なぜモローはこのような表現の「サロメ」を描いたのだろう? モローは象徴主義の画家です 象徴主義とは 「目には見えない人間の内面や観念などを象徴的に表現す…

幻想的で荘厳なモロー(1)

私の大好きな画家の一人 ギュスターヴ・モロー 代表作「出現」 この作品を理解するには知識が必要かもしれません これは聖書や福音書の中の有名な一場面です 古代パレスチナの領主ヘロデ王は近親婚の不道徳をヨハネに責められ ヨハネを憎辛く思っていました …

情景に思いを馳せるフェルメール(2)

今回も引き続きフェルメールの魅力について書いてみました ☆フェルメールの魅力その4 徹底した画面構成力 前述した「牛乳を注ぐ女」はその典型例です とにかく構図が素晴らしい! 牛乳を注ぐ女 牛乳が流れている部分を軸として 左側は食器やパンなど多くの…