「手」は一番身近で重要なモチーフだと思います
私も手を描くときは重要ではない部分だとしてもとても気を使います
千手観音の一つ一つの手もそれぞれ重要な意味があるように
手というのは、制作者の何か訴えや表現が
現れていることがよくあり、とても強い意思を感じます
例えば、宗教画などによく出てくる天使やイエスの手や指先は
意味が含まれていることが多いです
今回は2つの彫刻作品を紹介します
高村光太郎 「手」
「智恵子抄」で有名な作家ですが
父親が高村光雲という彫刻の巨匠で光太郎も彫刻作品を制作しています
この手は観世音菩薩の「施無畏(せむい)」から着想を得ているそうです
この手を皆さんはどう感じますか?
親指が極端に曲がっていて、この手を実際に真似しようとすると
とても手に負担がかかります
それだけこの手には力が入っていて
ゴツゴツしていて
でも人差し指と中指はしっかりと上を向いている
どの角度からみても力が入っている!見応えがあって面白い!
高村光太郎の力強い意思が感じられます
もう一作品
エミール・ガレ「手」
高村光太郎の手はブロンズ彫刻ですが
これはガラス彫刻です
高村光太郎と似た手の形なのに
全く印象が違います
とても女性的で曲線的
手首のあたりには海が表現され、指には貝殻
美しくて優雅です
エミール・ガレ最晩年の作品
ガレはランプや花瓶など、実用的なものを制作していましたが
唯一この作品だけ彫刻作品なのです
ガレの最初で最後の彫刻作品と思うと
ガレのこれまで活動してきた集大成のような
ガレの想いが感じられませんか
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!