歴史や産業の発展とともに絵画様式(絵の描き方や画風)というのはそれぞれが
影響しあって発展していっています
今では絵の具はチューブに入っているのが当たり前?
実はチューブいりの絵の具というのは1841年頃からだそうです
それまでの絵の具は自分で作っていました
その方法は
様々な色の鉱物や石などの顔料を砕き粉状にして油と練って
それを絵の具にしていました
これはだいたい画家の弟子の仕事です
宝飾品としても親しまれている群青色のラピスラズリも砕いてました
今考えるととてももったいない気もしますが
当時から高価だったようです
そこに1841年に鉛製チューブ入り絵の具が発明されたのです!
何が画期的だったかというと
これまで画家の作業はアトリエ内で行っていたのが
絵の具を屋外に持ち運べるようになったこと
風景画を描くにしても
外の風景をスケッチして
それをもとにアトリエで制作していましたが
チューブ入り絵の具のおかげで
外の風景を見ながらそこでそのまま色をのせて絵を描くことが可能になったのです
朝日から夕日まで光の移り変わりを見ながら絵を描くことができた
それを行ったのが印象派です
印象派は自然の光をそのまま描いた画家たちです
モネやルノワールなどがあのような絵を描くことができたのは
外で絵が描けたからなのです
さらに手練りしていた頃の絵の具は今のような硬さはなく
トロトロでした
それがチューブにいれるために硬い絵の具に改良されたのです
そのため、キャンバスの上に絵の具を盛り上げてのせる厚塗り技法もできました
その代表格がゴッホです
ゴッホの作品をよくみてみるとすごい厚塗りで作品が盛り上がっています!
つまり、チューブ入り絵の具なくして印象派はなかったのです!
ちなみに、印象派がこれまでの写実主義(ものを見たままにそのまま描くやりかた)をしなかった理由として
写真の登場もあります
写真が発明されてしまったため
ものを見たままに描く理由をなくしてしまったのですね
国王や貴族たちの肖像画を描いていた芸術家には死活問題!
芸術家にとってはこれもまた大打撃でした!
こういった芸術の試行錯誤の中に印象派という大きなうねりができた
と考えるとまた面白いです
やっぱりすごい人達です!
今日も最後まで読んでいただきありがとうございました!