ヒエロニムス・ボス『快楽の園』
初期フランドル絵画の特徴のひとつは「超細密描写と膨大な情報量によるごちゃごちゃ感」
だから画像で見ると小さすぎて何が描かれてるのかよくわかりません。
そのため部分部分をいくつか取り上げていきます
筆者激押し絵画『快楽の園』はオモシロ絵画であるとともに謎絵画です。
なんでこうなった。。。どうしてこうなっちゃった??ツッコミどころ満載でいまだによくわかりません。
この絵は「三連祭壇画」といって3翼に分れた祭壇画(キリスト教の教会におかれるお寺のご本尊みたいな絵)で両翼がパタンと中央に閉じることができて、その両翼の外側にも絵が描かれてます。
そして観音開きのように開くとメインの絵が出てくるという仕掛けです。
なにが描かれているかというと
開いた時:
左側:アダムとイブ
中央:題名にもなってる人間の快楽?
右側:地獄
そのため絵画の流れとしては、
神様が地球?を天地創造して大地や海や植物が作られる
→神様が人間アダムとイブを作る
→その人間が増えて堕落に落ちて快楽を求める
→そうすると地獄に落ちますよ
という感じ。
こうみるとなんとなくわかりやすい教訓的な絵ですが
その中身が変すぎる!
まず、開いた時の左側から
中央下あたりに神様とアダムとイブっぽい人がいて、ここが地上の楽園エデンだとわかる。下に動物なんかもいて植物に果物もなってる。(さりげなく悪魔の化身の蛇も中央右端の木に巻き付いてる)
楽園だよね?3人の顔が超無感情で無表情なんだけど。。
まあ、とりあえずそれは置いとくとしても
中央に鎮座している湖のところに建ってる建物はなんぞや?
しかもえらいメルヘン?な独特な建物。こんなの現代建築でも見たことありませんが。。公園のお遊戯感があります。何気に中央の丸いところにフクロウっぽいのがいる。。。何故?
よく見ると水っぽいものが流れているので巨大な噴水かも。噴水の記述なんて旧約聖書になかった気もしますが。。ヒエロニムス・ボスのサービスかな?
上部の背景になってる山なんだか建物なんだかもだいぶツッコミどころ満載ですが。。。
動物もよく見てみてください。こんな動物実在してますっけ?というのがちらほら。
ユニコーンいるし、翼のある魚?いるし、カエル食べてるやつ何者?これに至ってはもう何の動物かも推測不能。。エデンだからなんでもOKなのかな?
これらに挙げた動物たちがどこにいるのか全体画像で探してみてください。
長くなってしまったので。
続きは次回。